休学中に取り組みたい本たちの一覧とそのメモ

 

読み進めていくうちにそれぞれの本の内容を追記していく.

 

【論理学】

・まったくゼロからの論理学(野矢茂樹)

 

 

数学基礎論

・『記号論理入門』(前原昭二)

 購入したのが2016年らしく,背からカバーが焼けてしまっている.先日から少しずつ読み進めた.命題を論理記号を用いて表したとき,<条件>と見た場合,<性質>と考えた場合,そして,<集合>と考えた場合に用例が分けられており,いままで雑然としていた各方面の用語や概念が整然と書かれており,とてもわかりやすい.

・『数学基礎論』(隈部正博)

 学んでいる場所で教材として扱われている.実際にまだ読んだことはない.

・『数理論理学』(戸次大介)

 一般的な数理論理学と表記法が異なることと問題演習に解答がないため,全体的に難易度が高いらしい.著者の方による解説動画がYouTubeにある(BekkiLab - YouTube).

 見た感じ読了できそうにないので理解できるところをかいつまもうと思う.

・『数理論理学』(鹿島亮)

 未所持.入門に最適らしく特に第一不完全性定理はわかりやすいそう.第二不完全性定理については前原『記号論理入門』の方が明瞭.

・『キューネン 数学基礎論講義』(ケネス・キューネン)

 未所持.公理的集合論を学ぶ前に読む本として適している.

 集合論,モデル理論,再帰理論など.証明論,不完全性定理にはほとんど触れられていない.

・『数学基礎論序説 数の体系への論理的アプローチ』(田中一之)(少し高い...)

 未所持.第1部でゲーテルの完全性論理より1階論理学び,第2部で「逆数学」以前の不完全性定理,タルスキの完全性を学ぶ.第3部では「逆数学」に焦点を当てる.難易度は全体的に高い.その代わり,数学基礎論の様々な範囲に触れている.逆数学について書かれている本はめずらしい.

・『数学基礎論』(新井敏康)

 未所持.数学基礎論をかなり広範囲でカバーしている.難易度はかなり高く,教科書的な本なので辞書としての使い方もできる.非古典論理には触れられていない.

・『数学論理学の基礎・基本』(坪井明人)

 未所持.第6章で超準解析に触れている.

・『論理学への数学的手引き」(Endorton)

 未所持.一階論理の完全性定理,ゲーテルの不完全性定理の証明,完全性定理の応用例としての超準解析,2階論理まで.

・『不完全性定理』(菊池誠)

 数学基礎論を学んでいる所でここを終えたらとおすすめがあり,買った本.

 ●関連書籍:『不完全性定理』(野崎昭弘)

       『ゲーテ不完全性定理』(ゲーテル/林晋・八杉満利子 訳)

       『ゲーテルの定理』(トルケル・フランセーン)(高い...)

       『スマリヤン 不完全性定理』(スマリヤン)

       『数学ガール ゲーテルの不完全性定理』(結城浩)

・『ゲーテルと20世紀の論理学』(田中一之)

 数理論理学,数学基礎論が作り上げられてゆく過程がわかりやすく記されている.数学基礎論全体の史実を見渡せる書物は少ないような印象があるので貴重な本だと思う.

・『数論・論理・意味論 その原型と展望』(野本和幸)

 数学基礎論を論文の題材にしようと思っていたところ読み始めて,この分野について書こうと心に決めるきっかけになった本.読み途中.

 「この書物は,いわば一種の「戦記物語」である.だがむろん領土拡張を巡っての侵略戦争や政治的権力を巡っての暗闇の物語ではない.ギリシャ神話に伝えられるいわば「オリュンポスの神々と巨人族との戦いの歌(ギガント・マキア)に比すべき戦いの物語である.ー遠く紀元前のエジプト,バビロニア,インド,ギリシャ等から人類が繰り返し問うてきた最も普遍的な知,すなわち,数論や論理,そして言葉の意味理解を巡る知の解明,という巨大な課題への挑戦の物語である」

・『位相と論理』(田中俊一)

 未所持.Stoneの表現定理について.

 「位相(空間)は実数や空間の点や部分集合の相互関係を対象とする分野で、集合や代数系の概念とともに数学の基盤となっている。一方論理はギリシャ時代からの長い歴史をもつ学問であり、20世紀には数理論理学として目覚ましい発展を遂げた。この本はこの2つの一見異なる分野が実は密接につながっていることを予備知識を仮定せずに述べることを目的にしている」(「BOOK」データベース)

 

・『情報科学における論理』(小野寛晣)

 未所持.論理学の入門に適している.述語論理の完全性定理には触れられていない.

 

アカデミックスキル

とても久々の記事になってしまった.

 

いま勤めている所が去年から慢性的な人手不足が続いており,文字通り,死に物狂いで3月を終えた気がする.かなり心身共々限界が来ていて,死ななくてよかったという気持ちで4月を迎えた.今月は休みを所々,多めにもらったので調子を立て直したい.

記憶にある限り半年以上は不眠症が続いていたのだけど,サプリメントを投入して昨日今日で久々にきちんと眠ることができた.相方から寝起きの機嫌がいいと言われてしまった(いつも機嫌が悪く起床してたのかなと思い,申し訳なかった).朝起きても疲れていない身体は久々だった.

 

そんなこんなと相方との慣れない同居生活もあり,去年は大学がほぼ休学状態になってしまった.入学した年にこんな状態とは...と思ったのだけれど,これからおそらくどちらかが死ぬまで共に居続ける人間との生活環境の改善は大切であるし,一度壊れている身体を酷使して頑張る必要性があまりないなとも思ったのであまり気にしないことにした.順調には進めることのできない状態に適応するためにいまの大学にいるので,想定通りにいかないのはここまで来ると当然で,そこで諦めないことだけを考え続ければよいのだ,と思っている.

 

2月に次期の履修計画を練っている際に,大学に所属しているからこそ得られる利点や身につける技能などの知識が欲しいなといまさらだけれど思った.初めに『リベラルアーツの学び方』(瀬木比呂志)を読み始めたのだけど,文体と内容がビジネス系にかなり寄っていて私には合わなかったので途中で読むのをやめた.

最近になって,『法学教室』関連のツイートで有斐閣アルマの『大学生の学び・入門−大学での勉強は役に立つ!』がおすすめというのを見つけて,この本を辿りながらいくつか大学での過ごし方,技能の獲得などについての本を探した.

 

他,慶應義塾大学出版会の『アカデミック・スキルズ』シリーズのうち,『アカデミック・スキルズ』,『資料検索入門』,世界思想社編集部の『大学生 学びのハンドブック』を購入して今日から読み始めている.

 

本書で解説するアカデミック・スキルズは、できれば大学入学後なるべく早い時期に身につけて欲しいものである。しかし、より専門性の高いセミナー論文や卒業論文を書く段階で、その必要性・重要性に気がつくことも多いだろう。その時にも決して遅くない。いや、それに気づいたときにこそ、本書の各部分を丁寧に読み、自らの学びに生かしてほしい。

 

いまさら読み始めても遅いかなという気持ちがどこかであったのだけど,『アカデミック・スキルズ』のこの文を読んで勇気づけられた.

 

大学に所属している利点(特に大学図書館の利用)は知らないと卒業するまで使うことがないような気がするのでこういった知識は大切にしたいと思う.

 

 

 

#深海6500m

『本当は私だって数学が好きだったんだ』

 

 

『本当は私だって数学が好きだったんだ』

 

タイトルに惹かれ入荷情報を確認してすぐに書店へ買いに行った.表紙には数学を教える使命と学ぶ心構えと書かれていて,すぐに自分に必要な書物だと思った.

大学の1学期を終えてから,講義内容や試験,進めるべきスピードに対して自分の理解が追いついていないまま進むことに大きな焦りを感じていた.ゆっくりと心行くまで勉学をするためにいまの大学に入学したのだけれど,その目的を遠くに追いやっているような気がしていた.

巷のよくある解決策の一つとして,理解が追いつかないのなら追いつける程度の勉強量をこなせばいいというのがあるのだけれど,これは受験勉強で失敗したことの一つなのでたぶんやることはない.必要ならどこまでも勉強はするのだけど.ただ,特に数学において腑に落ちてかつその先を覘けるような理解を得るために,勉強量をこなすという手段はあまりよくないような気がしている(その手段が合う人ももちろんいる).

僕にはやはり理解するまで学び続けることがもっとも合っているのだろうとここずっと思い続けていた.

ただこの方法はとんでもなく時間がかかる.理解するのに(そもそも理解するとはどういうことか辺りの問題があるかもしれないが)数十分でできる場合もあるしはたまた数年,数十年の時間がかかることもあるかもしれない.

学校教育や受験勉強の中で,常に急ぐ,できる限り速くといったような意識を持つことが多かったけれど,新ためて急がない,どしりと構えてやるみたいな意識に変えてゆきたいと思った.

大学に入ってからの焦りがどこにも所属せずに学んできた時には起こらなかったことなのが面白い.多かれ少なかれ外の圧力が存在するというのは,利点もあるが構造的に欠点も多く存在することを認識することができた.

また,順序的に学問を習得することへの憧れがあったのだけど,主に履修登録の推奨順序において,必ずしもそれがほんとうに自分に合った順序ではないことも常に留意しておきたい.ほんとうの体系化は自分でしかできない気がするし,それが血肉にするということなんだろうとも思う.

 

数学教育に関する書籍はいままでに遠山啓(1909-1979),小平邦彦先生(1915-1997)のものを読んだことがあるのだけど,どちらも少し時代が古い印象を受けた.『本当は私だって数学が好きだったんだ』は現行の教育に即しているので共感できる点で読みやすさがあるような気がする.

 

この本を契機に長岡先生について知ったのだけど,よく見たら今期取っている講義を担当されていた(人の名前を覚えるのが苦手なため全く気づかなかった).他の講義と少し質が異なるなと思っていたのだけど,読み終えてから見る講義はいままでと少し見方が異なってくるような気がしている.

 

#降雪のない窓を見る 

 

通信大学の中間試験を5月下旬ごろに終えた.この試験の合格判定が出ると,単位を取得するための試験資格を得ることができる.まだ結果は出ていないのだけれど,整理ができているなと思う科目については比較的高い点数を取れていた気がする.一方で理解が不十分だった科目については,平均は超えたものの少し唸り声が出るような点数だったので,今期の間にできる限り理解を進めてゆきたい.

こうして試験があるとどうしても点数を見てしまいがちなのだけど(単位がかかっているので当然なのかも知れないが),私としては来期以降に伸びたとしてもしっかりと理解した上で単位を得てゆきたい気持ちがある.それでも焦ってしまうので,本来の目的を思い出しながらやっているのだけれど上手くいかなかったりもする.その科目だけでは理解が不十分になってしまうことが明白である(さらに上の専門性が求められており,現状それが理解できないなどの)場合は,諦めて(保留して?)進めるようにしている.こういうのは後々のおたのしみのようなものという気もする.

 

履修科目の都合で物理をやり始めたのだが,これがとても面白い.前に量子論の記事を書き始めようと思ったのも(殆ど文献を読み進められていないが)物理がきっかけだった.高校の頃は数学も物理も苦手を越して嫌いだったのだけど,不思議なことにとても好きな分野になってる.大学へ入る前に,数理物理学という学問分野を知り,きっかけとなって専門分野の体系的な学問をしたいと思った.こうやって,少しずつではあるものの目標に近づけていることはとても嬉しい.

 

そして,IT系の授業を受けているうちに,以前までぼやぼやとしていた,数学と物理が重なっている分野で何かしらできないかなという気持ちが少しだけ具体的になってきた.

特に可視化についてとても関心があるのだけど,調べてゆくうちに,計算力学(CAE)技術者資格というものがあるらしく,それがやりたいなと思っている内容に比較的合致するような気がした.CAEというものを知ったばかりなので,方向性が合っているのかも分からず自信がないのだけど,こういうものがあると知れたこと自体が嬉しくある.

まだ当分先になると思うのだが,資格取得やその分野を生かした仕事も視野に入れたいと思っている.(その先もしくは途中で格差解消に携われればと思っているのだけれど,いつになることやらという感じでもある) 他にも延長で量子力学を行うことができたらなども思っている.

 

 

駄文

CAEを見つけたのは,相方がIT系の資格取得に積極的で私も自分が目指す分野で資格があったりするのかと思って調べたのがきっかけだった.私はあまり資格取得に関心がないのだけれど(資格勉強が苦手なので),こうして影響を受けて契機に転じるのはとても面白いものだなと思う.

 

 

 

#黒机,氷の音

 

量子論はじめ

大学の授業をやり始めた中で,最近,化学の分野に入ったのだが,分子の構造がよく分からない,そもそも分子やその構成要素が何であるかということや,量子と粒子,分子の違いは何なのかなどと疑問に思い始めて,手元にあった本たちを漁ってゆくと量子論に行き着いた.前々から,量子論量子力学あたりは興味があって(全くの力不足で買った書籍を積読の育成に費やすことしかできていなかったが),勉強をしてみたいなと思っていたので,このような形で始められたことはうれしい.

脱線しすぎずに授業の方も進めるべきなのだろうけれど,今期は次期の勉強を早々に始めようと思っていたし,幸か不幸か時間が比較的取りやすい環境なので,ちょっとくらい脱線しても大丈夫かなと思ったりもする.というよりも,量子論に触り始めてから色々なものの見方が全く変わってきたような感じがして,好奇心が抑えきれなかったりするのだけれども.

これからの間,〇〇とは何だろうということを自分なりに説明できるように記録をつけてみようと思う.

 

うまく言葉にできるかが分からないのだけど,今まで(授業で化学をやり始める前も含めて)疑問に思っていたことは,

 

・分子とは何か

電荷を持つとはどういうことか

・電子,陽子,中性子はそれぞれ何なのか(それぞれ違いなど)

・電子はほんとうに原子核の周りを軌道に沿って回っているのか

 (これは多くの分子モデルにそのように見える形で描いてあるので疑問だった)

・物質の最小単位は原子で分割できないものと高校まででは習ったものの,

 新しい情報では最小単位はクォークになっており,

 また電子が離れたりすることは分割の意味に入っていないのか

・場とは何か

・場について考えると既存の分子モデルがよく分からない

 

など

 

勉強していくうちにほかにも疑問点が出てくると思うので,都度記していきたいと思います.

 

記事が続く場合は,以下に目次を載せようと思います.

 

 

また,参考文献もこの記事に随時追加してゆきます.

 

 

 

#寝台の上,窓の光

 

移行

後少しで住みたかった土地に越す.住みたいなと思ったと土地にはこれですべて住める(た)ことになる.

今回は本当に不思議なことに(?),人と生活を伴にすることになった.ぼくはあまり人付き合いが得意な方ではなく,どちらかというと苦手であるし,まして誰かと生活をともにするというのはなかなかむづかしいだろうと経験的にも思っていた(誰かと生活をともにすることを特に望むことはなかったし)のだが,いろいろな巡り合わせで新しい土地で自分以外の誰かとともに生活をすることになった.ほんとうに不思議なものだ.

現状は不安8割,たのしみ2割くらいで,自分の生きてゆく道に大きく侵害されることがあった際には迷いなく離れようという気持ちもある.可能であればそのような出来事は事前に避けられればよいのだけれど,この後に何があるかなんて分からないので自衛手段などを考えておくことは大事なことかなと思う.

 

世の中が気がつけば大変なことになっているけれど,今だからこそ実感する事柄なども多くて勉強になるなと思ったりする.

具体的には疫病に関すること,細胞/分子生物がくに関することあたりが個人的にはとても興味深くて,勉学を進める上での更なる動機になっていたりする.

特に疫病に関してはカミュの『ペスト』,細胞/分子生物学に関しては永田和宏生命の内と外』から途中でタンパク質について知りたくなったので『タンパク質の一生』を読み進めている.また,先日,蛋白研の後藤祐児先生の講義がネット配信され,丁度聴講することができたことがかなり理解の促進になった.特にタンパク質研究の歴史,現在は凝集が主な(熱い?)研究になっているが,初期の頃はタンパク質の凝集は研究として認められていなかった点がとても面白かった.

ご時世故でありますが,あのような講義を拝聴する機会を与えてくださり,ほんとうにありがとうございました.

 

今年から通信大学で体系的に学問を学ぶことができるので(自分次第であることを頻繁に忘れそう),数学・物理・哲学・生物学などの自分が最も興味のある分野にさらにアプローチすることがとても楽しみになっている.

 

#残った鞄