晴天に月影

デスクライトはいつも一番小さな明かりで灯しているので、磨りガラス越しに光が溢れ始めたことには直ぐに気が付いた。慌ててカメラを手に取り、電源をオンして、デスクライトを消す。日の出と同様、月が昇るのも早いのだ。山の木々の隙間からこれでもかという程光が溢れている。ガラス越しに見るより鮮明。薄暗い中で作業をしていたので目が痛いくらいだった。偶然にも先ほど偶々見つけた曲がイヤフォンから流れている。タイトルは「Heliosphere」。何だかいいなと思った。シャッターを切るうちに月は昇ってゆく。下の方が完全に出るか出ないかの辺り、木々の枝葉が被さって趣があってよかった。ここがいま、縁側だったらとてもいいのになあ。そう言えば月の光は太陽のは光を反射していると言うけれど、太陽の光より黄色味かかっているのは夜のせいだろうか、月の表面の色のせいだろうか、などと思いながら眺める。そう言えば、月の模様はぼくは兎に見えずどちらかと言うと逆さになった蟹に見えるななどとも思ったりした。他にはライオンとかもあるらしいけれど、ライオンにはどう頑張っても見えない。ぼくの想像力が足りないんだな。夜の晴天というのは少し、おそらくいつも日中の天気予報しか気にしていないからだろうが、聞き慣れておらず不思議な感じがある。夜に生きることがあれば、夜の天気予報を気にかける様になるかもしれない。今日は広く澄んだ空ですね、と双眸を光らせながらひとりごちたりするのかもしれない。

 

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#作業机