「液–液相分離の新たな展開へ向けて」へ参加しました

 

12,13日の2日間に渡り開催された「液–液相分離の新たな展開へ向けて」へ2日目だけですが,参加することができました.僕はセミナーなどに参加した経験がかなり少ないので比較対象がよくできませんが,それでもこれ程のボリュームのあるものはそうそう無いのではないかと思う程,1日12人の方が発表を行うというボリューミーなセミナーでした.

 

もっとも興味深かったのが築地真也先生のデザインされたプロテインで細胞内を解析・制御する技術についてでした.(相分離自体の理解がまだできていないので,理解できる範囲が技術面に多かったです) プロテインをデザインし,それを用いて狙った因子を活性化させる,細胞内に人工の場(人工オルガネラ)を作るなど,こんなことができるのかと驚くことばかりでした.細胞内や分子という小さな世界での事柄でありながら,その世界の大きさは実際にはとても大きく,広く,また深いものであるように思いました.

生化学の書籍を読んでいると,細胞内の構造についてまだ解明されていないことがかなり多いことに気付きます.それらを解き明かす鍵に相分離がなるかもしれないと考えると,相分離のこれからに追いついていければと思います.

そして,特に技術面について,あるものを見るということの重要性と難しさを振り返っている中で思いました.見ることができるかというのは観測できるかということでもあるしまた認められるかということでもあり,それらが可能か否かによって発展や認識の様子もかなり変わってくるのだろうなと感じます.見るということは他の分野,例えば哲学などでも重要なもであるような気がしており,とても興味深いところです.

また,講演を聴きながら数学について少しでも勉強していてよかったなと思う節が度々ありました.数学自体,学問として非常に魅力であふれていますが,このように他の学問分野で用いられているところを見ると,もっと学んでより深い理解を得たいなという気持ちになります.

 

相分離を知ったのは確か8月だったように記憶しており,白木先生の『相分離生物学』もその月の後半に入手しましたが,生化学の分野に触れ始めたのも同じタイミングだったため読みきれておらず,また知識不足のため読んである範囲の理解も十分ではない状態です.それでも今回のセミナーの内容は本当に来てよかったと思うもので,また次回のセミナーにも日程が合えばぜひ参加できればと思っています.